《概念泥棒/Notion Thief》

Notion Thief / 概念泥棒 (2)(青)(黒)
クリーチャー - 人間・ならず者

瞬速
対戦相手1人がの自分の各ドロー・ステップで引く1枚目のカード以外にカードを1枚引く場合、代わりにそのプレイヤーはドローを飛ばし、あなたはカードを1枚引く。
3/1

ドラゴンの迷路にて登場する、《概念泥棒/Notion Thief》について思ったことでも色々メモ。

《盗用/Plagiarize》を内蔵している瞬速持ちクリーチャーで、基本的な用途は対戦相手のドロースペル、スキルに対応して撃つ形になると思いますがEDHにおいてどんな影響があるか。

  • 《寺院の鐘/Temple Bell》、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》の+2で自分だけ4枚ドロー。
  • 対戦相手の《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》で相手が1点のライフを失い、こちらがドローという不思議なことに。《闇の腹心/Dark Confidant》、《闇の後見/Dark Tutelage》、《ネクロポーテンス/Necropotence》は"手札に加える"と書かれている為、影響を受けない点に注意。
  • 《Timetwister》、《時のらせん/Time Spiral》で各プレイヤーは手札、墓地にあるカードをライブラリーに戻してシャッフルし、その後自分だけ28枚ドロー。
  • 《Wheel of Fortune》、《命運の輪/Wheel of Fate》、《魂の再鍛/Reforge the Soul》で各プレイヤーは手札を全て捨て、その後自分だけ28枚ドロー。
  • その他《変化の風/Winds of Change》、《意外な授かり物/Windfall》などでも大量ドロー。
  • あまり使用されることは無いとは思いますが、《吠えたける鉱山/Howling Mine》、《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》、《神話の水盤/Font of Mythos》、《ボガーダンの金床/Anvil of Bogardan》、《栄華の儀式/Rites of Flourishing》等の追加ドロー分も奪うことになります。
  • あとは《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》が対戦相手の場に居る場合、こちらの手札が溢れかえることに。こちらに《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》が居ても、対戦相手がカードを引くのはドローステップの時だけとなるのでそこまでの効果は無いことに注意。いや十分ですが。

《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》が対戦相手の場にいる場合、ループが発生して途中で対処しないとデッキをすべて引ききることになってしまいますね。修正。

  • その他細かいところで、《Arcane Denial》、《夢の破れ目/Dream Fracture》、《差し戻し/Remand》などでもドロー。個人的に忘れそうなので一応。
  • あと当然ですが、対戦相手のこれらに対応して《概念泥棒/Notion Thief》を登場させるのも美味しい。逆に着地させられるとかなり痛い。

ちなみに、《寺院の鐘/Temple Bell》+《精神力/Mind Over Matter》だと対戦相手はカードを引くことがないので自分だけ無限ドロー。引き続けた後で適当にバウンスでも使えばそのまま勝利となるので大した差は無いと思いますが。

《概念泥棒/Notion Thief》がこちらに居る状態で、対戦相手がなんらかの無限ドローをできる状況を達成した時、この能力は強制なのでライブラリーアウトで負けることになります。一応注意。その状況まで持って来られるなら多分負けですが。

あと、《概念泥棒/Notion Thief》の能力は常在型能力なのでタイムスタンプ順で適応されます。ようは最後に登場した《概念泥棒/Notion Thief》の能力が有効になるといったところで。複数並んだ時やクローン系でコピーされた時には注意。同一プレイヤーが複数の《概念泥棒/Notion Thief》をコントロールしていても効果が倍になる等といったことはありません。
仮にこれが誘発型能力だった場合、対戦相手と自身の《概念泥棒/Notion Thief》で無限ループが発生するのでは、と思うのですがどうでしょう。しっかり考えてませんが。

一応ちゃんとルール確認します。
以下関係有りそうなところをざっと並べましたが、多分重要なところは一番下で。

《盗用/Plagiarize》の項を参照。
4人戦の場で全員が概念泥棒を出している状態で誰か一人が《霊感/Inspiration》を撃った場合、置換される先を3人の中から選び、さらに選ばれた人は残った2人の中から選び、最後の1人になるまでそれを繰り返す形でしょうか。

616. 置換・軽減効果の相互作用
616.1. 複数の置換・軽減効果がいずれかのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを修整しようとした場合、影響を受けるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー(コントローラーがいないならオーナー)、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか、以下の手順で決める。複数のプレイヤーが同時に選択を行なう場合、選択はAPNAP順(rule 101.4 参照)で行なう。
616.1a 置換・軽減効果の中に自己置換効果(rule 614.15 参照)があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1b に進む。
616.1b 置換・軽減効果の中に、オブジェクトが誰のコントロール下で戦場に出すかを修整する効果があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1c に進む。
616.1c 置換・軽減効果の中に、戦場に出る オブジェクトを他のオブジェクトのコピーにする効果があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1d に進む。
616.1d 適用可能な置換・軽減効果の中から、どの効果を選んでもよい。
616.1e 選ばれた効果が適用された後、(その時点で適用できる置換効果や軽減効果があれば)適用できる効果がなくなるまでこの手順を繰り返す。

例:「カードがいずれかの領域から墓地に置かれる場合、その代わりにそれを追放する」と書かれているエンチャントと、「[このクリーチャー]が墓地に置かれる場合、その代わりにこれをオーナーのライブラリーに加え、切り直す」と書かれたクリーチャーの2つのパーマネントが戦場にある。このとき、そのクリーチャーが破壊された場合、そのクリーチャーのコントローラーがどちらの置換効果を先に処理するか決定する。その結果、他方は何もしない。

例:《荒れ野の本質》は「あなたがコントロールするクリーチャーは、荒れ野の本質のコピーとして戦場に出る。」という能力を持つ。《荒れ野の本質》をコントロールするプレイヤーが、通常はタップ状態で戦場に出る《錆びた歩哨》を唱えた。これが戦場に出るに際し、《荒れ野の本質》のコピー 効果が先に適用される。その結果、タップ状態で戦場に出るという能力はすでに存在しないので、《錆びた歩哨》は《荒れ野の本質》のコピーとして、アンタップ状態で戦場に出る。

616.2. 置換・軽減効果は、イベントを修整する別の置換・軽減効果の結果として、イベントに適用できるようになることがある。

例:「あなたが1点のライフを得る場合、その代わりに カードを1枚引く」という効果と「カードを引く 場合、その代わりに あなたの墓地にあるカード1枚をあなたの手札に戻す」という効果が存在した場合、(その二つが戦場に出た順序には関係なく)結合されて、1点のライフを得るかわりに墓地にあるカード1枚を手札に戻すことになる。

604. 常在型能力の扱い
604.1. 常在型能力は、起動したり誘発したりするのではなく、常に何かをし続ける。通常の文で書かれており、単にそのままである。
604.2. 常在型能力は、継続的効果を発生する。その中の一部は軽減・置換効果である。これらの効果は、常在型能力を持つパーマネントが戦場にあってその能力を持っている間、あるいはその能力を持つオブジェクトが該当する領域にある間、持続する。rule 112.6 参照。
604.3. 特性定義能力は、常在型能力の一種である。通常、そのオブジェクトのどこかに記載されている(例えばマナ・コスト、タイプ行、パワー/タフネス欄)特性値に関する情報を提供する。特性定義能力は全ての領域において機能する。また、ゲームの外部にある間にも機能する。
604.3a 以下の条件を全て満たす常在型能力は、特性定義能力である。(1)オブジェクトの色、サブタイプ、パワー、タフネスのいずれかを定義しているもの。(2)影響を受けるカードそのものに記載されているものか、トークンを生み出す効果によってトークンに与えられたものか、影響を受けるオブジェクトにコピー 効果や文章変更効果によって与えられているもの。(3)他のオブジェクトの特性に直接は影響を及ぼさないもの。(4)オブジェクトがそれ自身に与えている能力ではないもの。(5)ある条件下でのみ特性値を定義するものでないもの。
604.4. オーラ、装備品、城砦の多くは、それがつけられているオブジェクトを修整する常在型能力を持つが、そのオブジェクトを対象に取らない。オーラ、装備品、城砦が別のオブジェクトに移された場合、その能力は元のオブジェクトへの適用を止め、新しいオブジェクトを修整するようになる。
604.5. ある種の常在型能力は、呪文がスタックにある間に適用される。それらは多くの場合、呪文を打ち消すことに関するものである。また、「[このオブジェクト]を唱えるための追加コストとして、[コスト]を支払う/As an additional cost to cast [このオブジェクト], pay [コスト]」「[このオブジェクト]のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい/You may pay [cost] rather than pay [this object]'s mana cost,」「あなたは[このオブジェクト]をマナ・コストを支払わずに唱えてもよい/You may cast [this object] without paying its mana cost」といった能力も、そのカードが呪文としてスタックにある間に機能する。
604.6. ある種の常在型能力は、カードが唱えられるあるいはプレイできる領域(通常は手札)にある間に適用される。それは「あなたは[このカード]を[唱え/プレイし]てもよい/You may [cast/play] [このカード]」「あなたは[このカード]を[唱えられ/プレイでき]ない/You can't [cast/play] [このカード]」「[このカード]は …… にのみ[唱えられ/プレイでき]る/[Cast/Play] [このカード] only ...」と書かれているものに限られる。
604.7. 呪文やその他の種類の能力とは異なり、常在型能力は、効果がどう適用されるか決定する目的でオブジェクトの最後の情報を使用できない。

611. 継続的効果
611.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、オブジェクトの特性を変更したり、オブジェクトのコントローラーを変更したり、プレイヤーやゲームのルールに影響を及ぼしたりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはオブジェクトの常在型能力によって生成される。
611.2. 継続的効果は、呪文や能力の解決によっても生成される。
611.2a 呪文や能力の解決によって生成された継続的効果は、それを生成した呪文や能力に述べられた期間(「ターン終了時まで」など)継続する。期間が明記されていない場合は、ゲーム終了時まで継続する。
611.2b 起動型能力または誘発型能力によって発生する効果の中には、「〜し続ける限り/for as long as」という表記で限定される持続時間を持つものがある。この「〜し続ける限り」というフレーズで示される期間が、最初に適用されるより前に終了していた場合、その効果は何もしない。開始してすぐまた停止する、ということもないし、永続するということもない。

例:《練達の盗賊》は、「練達の盗賊が戦場に出たとき、アーティファクト1つを対象とする。あなたが練達の盗賊をコントロールし続けているかぎり、あなたはそれのコントロールを得る。」という誘発型能力を持つ。この能力が解決されるよりも先に《練達の盗賊》のコントロールを失った場合、持続期間、つまり「あなたが練達の盗賊をコントロールし続けている限り」という期間は効果が発生する前に終わっているので、効果は発生しない。

611.2c 呪文や能力の解決によって発生する、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更する継続的効果は、その継続的効果が発生した時点で影響を受けるオブジェクトが決定され、それ以降には変更されない。(これは、常在型能力からの継続的効果とは異なる。)呪文や能力の解決によって発生する、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更しない継続的効果は、ゲームのルールを変更するので、その継続的効果が発生した時点で影響を受けていなかったオブジェクトにも影響を及ぼす。単一の継続的効果が、オブジェクトの特性やコントローラーを変更する部分とそうでない部分を持っている場合、各部分がどのオブジェクト群に影響を及ぼすかは独立に決定される。

例:「すべての白のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」という効果は、その呪文または能力が解決した時点で白であれば、すべてのパーマネントに修整を与える。たとえ後で色が変わっても、その修整を失うことはない。また、その後で戦場に出たり白に変わったりしたクリーチャーには影響を与えない。

例:「クリーチャーがこのターンに与える ダメージを全て軽減する」という効果は、オブジェクトの特性を変更しないので、ゲームのルールを変更している。つまり、この効果は、この継続的効果が発生した時点で戦場に出ていなかったクリーチャーや、このターンのより後の時点でクリーチャーになったパーマネントによるダメージにも影響を及ぼす。

611.2d 呪文や能力によって、Xのような変数を含む継続的効果が発生した場合、その変数の値は解決時にのみ定められ、その後で変化することはない。rule 608.2g 参照。
611.3. 継続的効果は、オブジェクトの常在型能力によっても生成される。
611.3a 常在型能力によって生み出される継続的効果は「固定」されない。その文章で示されるもの全てに対して常に適用する。
611.3b この効果は、それを生み出すパーマネントが戦場にある、またはそれを生み出すオブジェクトがその該当する領域にある間、常に適用する。

例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける」という常在型能力を持つパーマネントは、戦場にある白のクリーチャーのそれぞれに+1/+1を継続的に与える 効果を生む。クリーチャーが白になったらこの修整を得、白でなくなったらこの修整を失う。

611.3c パーマネントの特性を修整する継続的効果は、そのパーマネントが戦場に入ると同時に特性を修整する。パーマネントが戦場に出るのを待ち、それから修整するのではない。この類の効果はパーマネントが戦場に出る時点で適用されるので、パーマネントが戦場に出たときの能力が誘発するかどうかを決定するよりも前に適用される。

例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける」という常在型能力を持つパーマネントが戦場にある場合、通常1/1の白クリーチャーを生むクリーチャー 呪文は、代わりに2/2の白クリーチャーを生む。1/1のクリーチャーが戦場に出て、それから2/2になるのではない。

613. 継続的効果の相互作用
613.1. オブジェクトの特性の値は、そのオブジェクトそのものの値から始まって決定される。カードであればそのカードに記載されている特性の値、トークンや(呪文やカードの)コピーであればそれを生成した効果によって定められた特性の値を初期値とする。その後、以下の種類別の順番で適用できる継続的効果をすべて適用する。
613.1a 第1種: コピー 効果が適用される。rule 706〔オブジェクトのコピー〕参照。
613.1b 第2種: コントロール変更効果が適用される。
613.1c 第3種: 文章変更効果が適用される。rule 612〔文章変更効果〕参照。
613.1d 第4種: タイプ変更効果が適用される。ここにはカード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ変更効果が含まれる。
613.1e 第5種: 色変更効果が適用される。
613.1f 第6種: 能力追加、能力除去効果が適用される。
613.1g 第7種: パワー・タフネス変更効果が適用される。
613.2. 第1種から第6種においては、まず特性定義能力が最初に適用され(rule 604.3 参照)、その後他の効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.6 参照)。種類別の中では、依存性によって適用順が変わることがある(rule 613.7 参照。)。
613.3. 第7種においては、以下の種類細別の順番で効果が適用される。各種類細別においては、効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.6 参照)。種類細別の中では、依存性によって適用順が変わることがある。(rule 613.7 参照。)
613.3a 第7a種: パワーやタフネスを定義する特性定義能力からの効果が適用される。rule 604.3 参照。
613.3b 第7b種: パワーやタフネスを特定の値にする効果が適用される。
613.3c 第7c種: パワーやタフネスを(特定の値にするのではなく)修整する効果が適用される。
613.3d 第7d種: カウンターによるパワーやタフネスの変更が適用される。rule 121〔カウンター〕参照。
613.3e 第7e種: クリーチャーのパワーとタフネスを「入れ替える/switch」効果が適用される。この種の効果はそのオブジェクトのパワーを参照してそのオブジェクトのタフネスとし、そのオブジェクトのタフネスを参照してそのオブジェクトのパワーとする。

例:1/3クリーチャーが効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の適用後に、他の効果によって+5/+0の修整を受ける場合、「入れ替え前」の値は6/4となり、実際の値は4/6になる。

例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の終了前に+0/+1の効果が終わる場合、そのクリーチャーは3/1になる。

613.4. 上記の種類別による継続的効果の適用は常にそして自動的に行なわれており、結果としてオブジェクトの特性が変更されるのは即時である。

例:《清浄の名誉》は「あなたがコントロールする白のクリーチャーは+1/+1の修整を得る」というエンチャントである。《清浄の名誉》と2/2の黒のクリーチャーが戦場に出ている時に、その黒のクリーチャーを白にする効果(第5種)が存在したとすると、《清浄の名誉》の効果(第7c種)を受けて3/3になる。この後で、このクリーチャーの色が赤になった(第5種)場合、《清浄の名誉》の効果は適用されなくなり、2/2に戻る。

例:2/2のクリーチャー《灰色オーガ》が戦場に出ている。これに+1/+1カウンターが置かれた(第7d種)場合、3/3になる。さらに「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+4/+4の修整を得る」という効果(第7c種)が適用されれば、7/7になる。「あなたがコントロールしているクリーチャーは+0/+2の修整を得る」というエンチャント(第7c種)が戦場に出たら、そのクリーチャーは7/9になる。ここで、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで0/1になる」という効果(第7b種)が適用されたら、このクリーチャーは、(0/1→呪文の効果で+4/+4→エンチャントの+0/+2→カウンターの+1/+1→)5/8になる。

613.5. 効果が複数の種類別に分類できる場合、そのそれぞれの部分がそれぞれの種類別として処理される。いずれかの種類別において効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。

例:「野生の雑種犬は+1/+1の修整を受け、あなたが選んだ色1色になる」という効果は、パワー・タフネス変更効果でもあり、また色変更効果でもある。従って、「あなたが選んだ色1色になる」という部分が第5種として処理され、その後で「+1/+1の修整を受ける」部分が第7c種として処理されることになる。

例:《反逆の行動》は「クリーチャー1体を対象とし、ターン終了時までそれのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。それはターン終了時まで速攻を得る。」という効果を持つ。これはコントロール変更効果であり、能力追加効果である。従って、「それのコントロールを得る」部分は第2種、「速攻を得る」は第6種として処理される。

例:「クリーチャーでないすべてのアーティファクトはターン終了時まで2/2のアーティファクト・クリーチャーになる」という効果は、タイプ変更効果でもあり、パワー・タフネス変更効果でもある。タイプ変更効果は、クリーチャーでないすべてのアーティファクトに対して第4種で適用され、パワー・タフネス変更効果はそれらのパーマネントに対して第7b種で適用される。この時点までに、そのパーマネントはクリーチャーでないアーティファクトではなくなっているが、予定通り適用される。

例:《安息の無い墓、スヴォグトース》が戦場に出ていて、これに「土地1つを対象とする。それはターン終了時まで3/3のクリーチャーになる。それは土地でもある」という効果(第4種および第7b種)が適用されたとする。この後、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」という効果(第7c種)を適用すると、4/4の土地・クリーチャーになる。この後、《安息の無い墓、スヴォグトース》の能力「ターン終了時まで、《安息の無い墓、スヴォグトース》は『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい』の能力を持つ黒であり緑である植物・ゾンビ・クリーチャーになる。それは土地でもある。」(第4種、第5種、第7b種)を起動した場合、あなたの墓地にクリーチャー・カードが10枚あったとすると、《安息の無い墓、スヴォグトース》のパワーとタフネスは11/11になり、その後墓地の枚数が変わるにつれて変動する。この後、もう一度最初の効果が適用されたとしたら、再び4/4の土地・クリーチャーになることになる。

613.6. 各種類別、各種類細別の中では、効果の適用順は通常、タイムスタンプのルールを用いて決定される。より早いタイムスタンプを持つ効果が先に適用される。
613.6a 常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したオブジェクトと、その能力を生成した効果の、遅い方と同じタイムスタンプを持つ。

613.6b 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、生成された時点でタイムスタンプを得る。
613.6c オブジェクトのタイムスタンプは、他のオブジェクトやプレイヤーについているオーラや装備品や城砦、あるいは表向きの次元 カード、現象 カード、計略 カードを除き、それが現在ある領域に入った時点のタイムスタンプである。
613.6d オーラや装備品、城砦が他のオブジェクトやプレイヤーについた時点で、そのオーラや装備品、城砦は新しいタイムスタンプを得る。
613.6e 表向きの次元 カード、現象 カード、計略 カードは、表向きになった時点でタイムスタンプを得る。
613.6f 表向きのヴァンガード・カードは、ゲームの開始時にタイムスタンプを得る。
613.6g たとえば同時に領域に入る、同時にオブジェクトにつけられる、などで複数のオブジェクトが同時にタイムスタンプを得る場合、その時点でアクティブ・プレイヤーがそのタイムスタンプ順を決める。
613.7. 種類別、種類細別の中での効果の適用順は、依存関係によって変更される場合がある。依存関係がある場合、タイムスタンプ順のルールは依存のルールによって上書きされる。
613.7a ある効果が、(a)別の効果と同じ種類別(存在するなら種類細別も)であり(rule 613.1 および rule 613.3 参照)、(b)別の効果を適用することにより、その文章が変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり、適用するもののどれかに何をするかが変わったりし、さらに(c)どちらの効果も特性定義能力によるものでない、またはどちらの効果も特性定義能力によるものである場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立である。
613.7b 1つまたは複数の効果に依存している効果は、その依存先の効果全てが適用されてからすぐに適用する。このルールによって複数の依存している効果が同時に適用されるようになった場合には、その適用順はお互いのタイムスタンプ順に従う。依存している効果同士によって依存性のループが生成した場合には、このルールを無視し、依存性のループを生成している効果をタイムスタンプ順に適用する。
613.7c 効果の1つが適用された後、残りの効果の順番は再計算される。まだ適用されていない効果が、他のまだ適用されていない効果に対して独立になったりあるいは依存したりすることによって順番が変わることがある。
613.8. 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。また、一つの効果の結果が、他の効果が適用されるかどうかや、その効果が何をするかを決定することもある。

例:単一のクリーチャーに、「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」というオーラと、「エンチャントされているクリーチャーは飛行を失う」というオーラからの2つの効果が影響を及ぼしている。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に生成された効果が「勝つ」ことになる。それらの効果のいずれかが持続時間のあるもの(「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う」)やオーラでない発生源からのもの(「すべてのクリーチャーは飛行を失う」)であっても、同じ適用法により同じ結論になる。

例:「白のクリーチャーは+1/+1を得る」「エンチャントされているクリーチャーは白である」という2つの効果があった場合、そのエンチャントされているクリーチャーは、元の色に関らず、+1/+1の修整を受けることになる。

613.9. 継続的効果の中には、たとえばプレイヤーにプロテクション(赤)を与えるなど、オブジェクトでなくプレイヤーに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、オブジェクトの特性が決定された後で、タイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.6、rule 613.7)参照。
613.10. 継続的効果の中には、プレイヤーの手札の上限を変更する、クリーチャーは破壊されない、など、オブジェクトでなくゲームのルールに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、他の全ての継続的効果の適用後に適用される。呪文や能力のコストに影響を及ぼす継続的効果は、rule 601.2eに定められた順番で適用される。それ以外のこの種の効果はタイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.6、rule 613.7)参照。

614. 置換効果
614.1. 継続的効果の一部は、置換効果である。軽減効果(rule 615 参照)と同様に、置換効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうる特定のイベントを待ち、その効果の全部あるいは一部を他のイベントで置換する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
614.1a 「代わりに/instead」という語を用いる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるかを示す。

614.1b 「飛ばす/skip」という語を用いる効果は置換効果である。この単語によってどのようなイベント、ステップ、フェイズ、ターンが何も起こらないことに置き換えられるかを示す。
614.1c 「[このパーマネント]は〜状態で戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield with ...」、「[このパーマネント]が戦場に出るに際し〜/As [このパーマネント] enters the battlefield ...」、「[このパーマネント]は〜として戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield as ...」という効果は置換効果である。
614.1d 「[このパーマネント]は〜戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield ...」、「[オブジェクト]は〜戦場に出る/[オブジェクト] come into play . . .」という継続的効果は置換効果である。
614.1e 「[このパーマネント]が表向きになるに際し〜/As [このパーマネント] is turned face up ...」という効果は置換効果である。
614.2. 置換効果の一部は、いずれかの発生源からのダメージに適用される。rule 609.7 参照。
614.3. 置換効果を生成する呪文を唱えることや能力を起動することには、特別な限定は存在しない。その種の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。
614.4. 置換効果はしかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を生成する呪文や能力は、そのイベントを生成する何かに対応して唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。

例:クリーチャーを破壊する呪文に対応して、再生 能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、クリーチャーを再生することができる機会は存在しない。

614.5. 置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそれを置換したイベントを通して1回だけである。

例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールするクリーチャーがクリーチャーかプレイヤーにダメージを与える 場合、その代わりに、その倍のダメージをそのクリーチャーまたはプレイヤーに与える」という能力を持ったパーマネントを2つコントロールしているとする。この場合、通常2点のダメージを与える クリーチャーは、8点のダメージを与える。4点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。

614.6. イベントが置換された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できない場合、単にその不可能な指示を無視するだけになる。
614.7. 置換効果があるイベントを置換する場合、そのイベントが発生しなければ、置換効果は何もしない。
614.7a あるダメージの発生源が0点のダメージを与えるというのは、つまりダメージを与えないということである。その発生源からのダメージを増加させる置換効果や、その発生源からのダメージを他のオブジェクトやプレイヤーに与えさせる置換効果があったとしても、置換すべきイベントが存在しないので、効果は発生しない。
614.8. 再生は破壊に対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[パーマネント]を再生する」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される場合、その代わりに負っているダメージを全て取り除き、タップし、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーならば戦闘から取り除く」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。rule 701.12 参照。
614.9. 効果によって、あるクリーチャー、プレインズウォーカー、あるいはプレイヤーに与えられたダメージが、他のクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーに与えられる同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え/redirection」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、どちらかのクリーチャーやプレインズウォーカーが戦場を離れていたり、クリーチャーやプレインズウォーカーでなくなっていたりした場合、効果は何もしない。ダメージが既にゲームを離れているプレイヤーから、あるいはゲームから除外されているプレイヤーに、移し変えられる場合、効果は何もしない。
614.10. イベントやステップ、フェイズ、ターンを飛ばすことは、置換効果である。「[何か]を飛ばす/skip [何か]」というのは、「[何か]をする代わりに、何もしない」ということを意味する。ステップ、フェイズ、ターンが始まった後では、それを飛ばすことはできない。飛ばす 効果が発揮されるのは、次の機会になる。
614.10a 飛ばされたステップ、フェイズ、ターンに起こる予定だったことは、起こらない。「次の/next」何かに起こる予定のことは、飛ばされなかった最初の機会に行なわれる。2つの効果があるプレイヤーの次のステップ(フェイズ、ターンも同じ)を飛ばす 場合、次とその次のステップを飛ばすことになる。効果の1つはその最初のものを飛ばしたことで終わるが、もう1つの効果は次の機会を待つからである。
614.10b 何らかの効果によってプレイヤーがステップ、フェイズ、ターンを飛ばして何か行動をすることになる場合、その行動は次に実際に発生したステップ、フェイズ、ターンの一番最初に発生する行動となる。
614.11. 置換効果の中に、カードを引くことを置換するものがある。それらの効果は、そのライブラリーにカードが存在しないために引くことができない場合にも適用される。
614.11a 複数枚のカードを引くことのうち1回を置換する場合、次のカードを引くのはその置換効果の処理を全て終わらせてからである。
614.11b カードを引いてからそのカードに何かするという一連の効果があって、そのカードを引く部分が置換された場合、その追加の部分は、置換された効果によってカードを引いた場合にも、何も影響を及ぼさない。
614.12. 置換効果の中に、パーマネントが戦場に出ることに影響を及ぼすものがある(rule 614.1c-d参照)。そのパーマネント自身のそれらの効果が適用されるのは、その効果がそのパーマネント自身にだけ影響を及ぼす場合だけである(そのパーマネントを含む一群のパーマネントに影響を及ぼすものは、そのパーマネント自身には影響を及ぼさない)。他の発生源からの効果であることもありうる。それらの置換効果のうち、どれがどのように適用されるかを決定するに際しては、そのパーマネントが戦場に出た時点で取るであろう特性を見る。ここで考慮するのは、戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの(rule 616.1 参照)と、呪文や能力の解決によって生成された継続的効果のうちでスタック上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したものと(rule 400.7a 参照)、そのパーマネントの常在型能力からの継続的効果だけであり、他の発生源による継続的効果は考慮しない。

例:《万物の声》は「万物の声が戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。」「万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ。」という能力を持つ。《万物の声》のコピーであるトークンが何らかの効果によって作られた場合、そのトークンが戦場に出るに際して、そのコントローラーは色を選ぶ。

例:《イクスリッドの看守》は「墓地にあるカードはすべての能力を失う。」という能力を持つ。《スカーウッドのツリーフォーク》は「スカーウッドのツリーフォークはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つ。《イクスリッドの看守》がいるときに《スカーウッドのツリーフォーク》が墓地から戦場に出る 場合、タップ状態で戦場に出る。

例:《夢の宝珠》は「パーマネントはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つアーティファクトである。これはそれ自身には影響を及ぼさないので、《夢の宝珠》はアンタップ状態で戦場に出る。

614.13. パーマネントがどのように戦場に出るかを修整する効果は、他のオブジェクトの領域を移動させることがある。
614.13a パーマネントがどのように戦場に出るかを変更する効果を適用するにあたっては、そのパーマネントを別の領域に移動させて戦場に出なくする選択をすることはできない。

例:「縫合グールが戦場に出るに際し、あなたの墓地にある好きな枚数のクリーチャー・カードをゲームから取り除いてよい。」という能力を持つクリーチャー《縫合グール》が墓地から戦場に出る 場合、《縫合グール》自身はこの置換効果によって追放できない。

614.13b 単一のパーマネントがどのように戦場に出るかを変更する置換効果を適用するにあたって、領域を変更するオブジェクトとして単一のオブジェクトを複数回選ぶことは出来ない。

例:次元 カード《ジャンド》は「いずれかのプレイヤーが黒か赤か緑のクリーチャー 呪文を1つ唱えるたび、それは貪食5を得る。」という能力を持つ。《ルーン爪の熊》をコントロールしているプレイヤーが、貪食3を持つ赤のクリーチャー 呪文《雷団の古老》を唱えた場合、《雷団の古老》が戦場に出るに際してそのコントローラーは《ルーン爪の熊》を貪食3の効果適用時か貪食5の効果適用時か選ぶことができるが、その両方で生け贄に捧げることはできない。《雷団の古老》はその選択によって、+1/+1カウンターを0個、3個、または5個持った状態で戦場に出る。

614.14. あるオブジェクトに、カードを追放する置換効果を生成する能力が記載されており、また「その追放されたカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力が記載されている場合、これらの能力は関連している。この2つめの能力は、その1つめの種類の能力による置換効果の直接の結果、追放 領域に置かれているカードだけを参照する。他のオブジェクトが関連した能力の組を得た場合、それらの能力は元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
614.15. 置換効果の中には、継続的効果でないものも存在する。呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換するそういった効果のことを自己置換効果と呼ぶ。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。

最終的には最後の方の太字の部分からタイムスタンプ順で適応されると思うのですが。
んん、ちょっと時間のあるときに調べて記述し直します。